クレバーな評価
何かを評価する際には、その物事が持つメリットやデメリットを考慮することから始めるだろう。しかし、単にメリットとデメリットだけを見ても、それらの評価は十分とはいえない。実際には、その評価に使う基準によって、同じメリットやデメリットであっても評価が全く変わってしまう。よく「プロ・コン」「メリ・デメ」とざっくりと遣ってしまうものだが、それらの使い方が大事だ。
例えば、食事について考えてみよう。「手作りの食事」においては、美味しさや健康面などのメリットがある一方で、手間などのデメリットも存在する。しかし、美味しさや健康面を重視した評価基準であれば、多少の手間がかかっても食事を手作りしたらいい。逆に忙しい時、コストや手間を評価基準とした場合、美味しさや健康面がどうであろうとパっと済ませた方がいいかもしれない。
同様に、住宅においても、その評価基準によってメリットやデメリットが異なる。例えば、庭のある家において、そのメリットを評価する基準として、自然と触れ合える、家庭菜園ができる、プライバシーが保たれる、などがある。逆に、デメリットを評価する基準としては、庭の手入れが必要である、広さによってはメンテナンス費用が高くつく、などが考えられる。まるで食事を検討するように、肩の力を抜いて家のことも考えると良いかもしれない。
何かを評価する際には、その物事が持つ「メリット・デメリット」という解像度で考えるのではなく、自分自身の重視するポイントや状況に合わせた評価基準を持って考えることこそがクレバーなのだと思う。