オフィス論
オフィス環境は、働く人々にとって非常に大切な要素の一つだ。適切なオフィス環境によって、従業員はより快適な作業環境を実現し、生産性を向上させることができる。ひいては、従業員のモチベーションや幸福感を高め、企業のパフォーマンスにも影響を与える。不動産会社を経営するものとしては、オフィスもまた 重要な環境の1つである。
旭化成ホームズがオフィスを移管したという記事を見た。フリーアドレス、集中スペースやコラボスペースなど、6種類の空間を用意しており、従業員は業務に合わせた場所で集中することができる。
フリーアドレスを前提とすることで、従業員が自由に席を選ぶことができ、作業に適した環境を選ぶことができる。従業員は自身の作業に集中することができ、その結果、生産性の向上につながる。ここで「さまざまな環境が用意されている」ことは大変重要だと思う。私はこの方式が好きだが、あなたはそういう方が集中できるのね - という好みに応じて柔軟に調整できるところが素晴らしい。
社員同士のコミュニケーションが生まれる動線・空間づくりでもまた重要である。設計者による意図的なコミュニケーションが誘発されることで、従業員同士の情報共有やアイデアの出し合いが促進され、新たなアイデアやビジネスチャンスを生み出すことができるかもしれない。
一方、フリーアドレスには課題もないわけではない。例えば、座席が自由に選択できるがゆえに、従業員同士の席の取り合いがないわけではない(もちろん大人だから取り合い、にはならないだろうが)。加えて、席の使用状況が不明瞭なため、オフィス全体の席の使用率を把握することが困難である。リモートワークすら一般的だから、「あの席でいつも仕事をしている〇〇さん」というのは古い考えかもしれないが、柔軟さゆえのコミュニケーションのしづらさはあるかもしれない。
かくいう弊社は 一人会社だから、フリーアドレスも集中スペースもない。「ひとりフリーアドレス」も悪くない。